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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第29章 「善意の逆理 Ⅱ**」


私はただ黙って、その背中が見えなくなるまで見送った。



「……よくやった、か」



自分で言っておいて、呆れるな。
あれは嘘じゃない。
釘崎たちは、本当によくやった。
でも、それとの状態が良いかどうかは全く別の話だ。



「……くっ、ぁ……」



医務室の中から、苦しげな声が聞こえた。
すぐに扉を開けてベッドに近づくと、は息を荒くして震え続けていた。



「……っ、ぁ……あつ、い……」



ひどく掠れた、うわ言のような声が漏れる。

薬が切れたか……。
そっと彼女の額に手を当てた。


(……どうなってる)


尋常じゃないほどの汗をかいているのに。
私の手に触れた彼女の肌は、氷のように冷たかった。
脈は異常に速く、不規則に跳ねている。



「、私の声がわかるか」



名前を呼んで声をかけるが、反応は返ってこない。


薄く開かれた目は、虚空を彷徨い続けている。
焦点がまったく合っていない。
すぐ目の前にいる私の顔すら、見えていない。

いや、視覚だけじゃない。
呼びかける声も、額に触れている私の手の感触も。
今の彼女には、何も届いていないようだ。


の身体で、いったい何が起こっている。
彼女の力が、関係しているのか。


(……くそ)


原因が何であれ。
この状態がずっと続いたら、身体が保たないだろう。
最悪の場合、目が覚めても――

もう、今までのとして戻ってこられないかもしれない……そんな予感がした。


どうにかして、食い止める方法はないか。
そう考えていた、その時だった。
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