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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第28章 「善意の逆理 Ⅰ**」


「あ、がっ……離せ、このッ!」



細井が悲鳴を上げて、私を突き飛ばすように身体を引き剥がした。
口の中に、生温かい鉄の味がドッと広がっていく。


(……先生のところに帰るって、決めたもん)


身体がどれだけ勝手に反応しても。
心まで、この男に壊されてたまるか。



「こいつ……っ!」



口元を血で染めた細井が、激昂して手を振り上げる。



「……っ!」



頬に強い衝撃が走った瞬間、身体ごと床へ叩きつけられた。
肩に走った痛みが、術式のせいで一気に膨れ上がる。
もう何が痛いのかもわからない。



「……いいだろう。痛みも快楽も、限界まで引き上げてやる」



白衣で血の滲んだ口元を拭いながら、細井が私を見下ろした。
その手が腰元へ伸びる。


(え……)


細井が、ズボンのベルトを外していた。
バックルが緩み、革の擦れる音がする。
その音だけで、次に何をされるのか理解してしまった。


怖い。
嫌だ。
気持ち悪い。


こんなの、絶対にいやだ。


そう思った瞬間、頭の中に浮かんだのは、先生の顔だった。


さっきまで交わしていた、くだらなくて温かいメッセージ。
私をからかう、あの意地悪な声。
何でもないみたいに笑って、でも本当は誰よりも私を見てくれる人。


今すぐ、抱きしめてほしい。
この人じゃない。


私に触れられるのは、先生だけ。
先生だけなの。


細井の手が、私のパジャマのズボンに伸びる。



「――助けてッ、だれかッ!!」

「くそっ、黙れ」



叫びきるより早く、細井が手で私の口を塞いだ。



「ん、む……っ!」



頭はくらくらして、身体も思うように動かない。
それでも。
それでも、最後まで諦めない。


必死に身体を捩った、その時。
扉の向こうで何かが激しくぶつかる音がした。
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