第28章 「善意の逆理 Ⅰ**」
『ご褒美って?』
『もっとエッチな写真送ってよ』
……は?
『のかわいいおっぱいとか。そしたら、僕も頑張れそう』
~~~~っ!?
サイテー! もう、本当にっ!
さっきまでのあのドキドキを返してほしい。
『おやすみなさい!』
続けて、ぷいっとそっぽを向いて怒っているクマのスタンプを送りつけた。
『ちぇー、ケチ』
『任務終わったら、いっぱい可愛がってあげるから早く帰っておいで』
『おやすみ、』
画面に並んだ文字を見た瞬間、顔がまた熱くなった。
いっぱい可愛がるって。
どういう意味かなんて、聞かなくてもわかってしまう。
(もう……っ)
この人の頭の中は、えっちなことしか考えてないのだろうか。
そう思うのに、「早く帰っておいで」がずるい。
怒っていた気持ちはどこかへ行ってしまった。
画面を消して、スマホをそっと自分の胸に押し当てる。
こうして、夜遅くにくだらないメールをしたり。
たまに電話をして、お互いの声を聞いたり。
付き合い始めの私たちには、絶対に考えられなかったことだ。
(……幸せだな)
普通の恋人同士みたいな、なんてことのないやり取り。
それがこんなにも心を満たしてくれるなんて、知らなかった。
(早く、任務終わらせなきゃ)
無事にすべてを片付けて。
大好きな先生のいる、あの場所に帰るために。