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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第28章 「善意の逆理 Ⅰ**」


「『Re:bloom』の小包が、この学校宛に配送されているっていう情報があって……準備室に大量の段ボールが見えたから、つい、何かあるんじゃないかって思ったんです」

「それで、あの準備室を探ってたのか」

「はい。私、こういう潜入任務なんて初めてで……空回りばっかりです」



自分で言って、情けなくなる。
結局、決定的なものは何も掴めなかった。
それどころか、細井先生に怪しまれて、危ないところを須和さんに助けてもらって。
ほんと、何してるんだろう。
がっくし肩を落として俯いていると。



「慰めになるかはわからないけど」



そう前置きしてから、須和さんが話を続けた。



「ポール・エールリヒっていう、医学者を知ってる?」



ポール・エールリヒ?
急になんの話だろ。



「えっと……ごめんなさい。わからないです」

「彼が発明した薬に、606号って呼ばれるものがあるんだ。この数字、なんだと思う?」

「606……好きな数字、とかですか?」

「はは、ちょっと違うね。彼が、失敗を繰り返した回数だよ」

「えっ……! そんなに失敗したんですか?」



思わず声が大きくなってしまった。



「そう。でもね、科学や医学の世界では、失敗はただのデータなんだよ。このやり方は違ったっていうことがわかっただけで、正解には確実に一歩近づいてる」

「さんも、今はデータを集めている途中だ。空回りでもなんでもないよ。だから、そんなに落ち込む必要はないってことさ」



その言葉に、なんだか涙が出そうになる。
須和さん、優しいな。
すごい人なのに、嫌味がないというか。
先生ならきっと、「いやー、潜入向いてなさすぎでしょ」とか言って大笑いするに違いない。



「ごめん。今のあまり励ましになってないかな?」

「え?」

「いや、昔……家入にも言われたんだ。僕の慰め方は理屈っぽくて、どうもわかりづらいって」



苦笑いしながら、須和さんが頬をぽりぽりとかいた。



「そんなことないです……っ」



私は大きく首を横に振った。



「少し元気出ました、ありがとうございます」

「そっか。それならよかったよ。……あ、そうだ」

「どうかしましたか?」
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