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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第28章 「善意の逆理 Ⅰ**」


「打ち合わせ前に確認しておきたくて。ちょうど彼女が近くにいたものですから、つい頼んでしまいました」



その言い方があまりにも自然で、私まで一瞬、本当にそんな用事だったような気がしてしまう。


須和さんは準備室の奥に積まれた箱へ視線を向け、一つの段ボールを指差した。



「たぶん、あれですね」



細井先生は箱の伝票を確認してから、中を開けた。
そこには、透明なケースに収められた小さな標本のようなものだった。



「ああ。それです、それです」



須和さんは細井先生から箱を受け取ると、私の方へ視線を戻した。



「さん、行こうか」



その声で、ようやく足が動いた。
私はノートの束を抱え直し、細井先生に頭を下げる。



「し、失礼しました……」



逃げるように、須和さんと化学室を後にした。







廊下に出た途端、張り詰めていたものがぷつりと切れたみたいに、全身から力が抜ける。



「……大丈夫?」



隣を歩いていた須和さんが、少し心配そうに声をかけてくれた。



「あ……はい。大丈夫、です」



そう答えたけど、声が少し震えていた。
須和さんはそれに気づいたのか、まだ心配そうにこっちをみている。
私は呼吸を整えて、須和さんに深く頭を下げた。



「さっきは、本当にありがとうございました」

「いやいや、頭上げて。勝手なこと言って、悪かったね」

「と、とんでもないです! すっごく助かりました」



ブンブンと勢いよく首を横に振る。


(須和さんが来てくれなかったら、どうなってたか……)


あのまま二人になっていたらと考えたら、背筋が冷たくなった。
あの先生、なんだか不気味だった。
掴まれていた手首には、まだじわじわと嫌な痛みが残っている。
私はそこをそっと押さえながら、もう一度、須和さんを見た。
……でも、そういえば――



「須和さんはどうしてここに……?」



私が尋ねると、須和さんは細井先生から受け取った箱を軽く持ち上げて見せた。
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