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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第28章 「善意の逆理 Ⅰ**」


適当にお茶を濁すと、真澄は深く追求することもなく、うんうんと頷いていた。



「そっか。でも、すっごく嬉しい。また野薔薇ちゃんに会えるなんて」



真澄が、ふわっと顔をほころばせる。
笑うと、片方の頬にだけ小さなえくぼができるのよね。
昔からそうだった。



「……で?」

「え?」

「なんでさっき、知らないふりしたのよ」



真澄の笑顔が、少しだけ固まった。
私は腕を組んで、じっと真澄を見る。



「忘れてたわけじゃないんでしょ。なら、何?」

「それは……」



真澄は気まずそうに視線を落とした。



「さっき華道部にいた子たち……仲間意識が強いっていうか。あそこでいきなり転校生と親しげに話したら、後で何言われるかわからなくて……わざと、そっけない態度とっちゃった。ごめんね」



……なるほどね。
閉鎖的な女子校特有の、めんどくさい派閥ってやつか。



「あんたも大変ね。別に気にしてないわよ。私は、あんたが私のことすっかり忘れてるのかと思ったってだけ。……まぁ、あんなクソ田舎のことなんか、綺麗さっぱり忘れたい気持ちはわかるけど」



冗談めかして笑い飛ばすと、真澄は慌てたように顔を上げた。



「そんなことないよ!」



廊下に響くくらいの、真澄にしては大きい声だった。



「そんなこと……ない。あの時、野薔薇ちゃんが友達になってくれて……私、本当に嬉しかったんだよ」

「……急に大声出さないでよ。わ、わかったわよ」



真っ直ぐすぎる言葉に、少したじろいでしまった。
でも、あの頃のことを真澄もちゃんと覚えていて。
私と同じように、大事にしてくれていたんだと思うと、正直嬉しかった。


その気持ちを誤魔化すように、わざとらしく咳払いをして、廊下の先へ顎をしゃくった。



「ほら、いつまでもこんなところで立ち話してたら目立つでしょ」

「あ、そうだね」



私たちは、並んで昇降口へと歩き出した。
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