第24章 「可惜夜に眠る 後編②**」
「――くっ!」
低く、喉の奥で震えるような声。
一番深いところまで突き上げられた瞬間、私の中で、先生のものが脈打ってるのを感じた。
(……ん、っ、ふぁ……あつ、い……)
苦しそうに眉を寄せて、吐息を零すその顔が普段の先生とは違くて。
そんな顔をさせているのが自分なんだと思ったら、胸のあたりがきゅっと落ち着かなくなった。
「……は、ぁ、……っ、……ふ、ぅ……」
重なったまま、お互いの乱れた呼吸が混ざっていく。
触れ合ったところから伝わる鼓動が、うるさいくらい強く響いていた。
まだ震えの残る指先で、私は先生の手を握った。
虎杖くんたちとは違う、大人の男の人の手。
(……大きくて、少しごつごつしてて好き)
離したくなくて、指先にそっと力を込める。
すると、先生もやさしく握り返してくれた。
「……せん、せ……」
「ん?」
ただ『好き』って言葉にするだけじゃ、全然足りない。
今の私の中にあるこの熱も、泣きたくなるくらい苦しいほどの幸せも、そんな一言じゃ追いつかない。
「……私、先生のこと好きすぎて……どうにかなっちゃいそうです……」
先生は一瞬だけ目を丸くして、瞬きをした。
それから、困ったみたいに笑って、でもどうしようもなくやさしく目元を緩めた。
「……それ、そっくりそのまま僕のセリフ」
「僕のほうが、のこと好きすぎて……頭おかしくなりそうなんだから」
そのまま、先生の顔がゆっくりと近づいて。
(……あ……)
塞がれた唇から、先生の想いが流れ込んでくる。
さっきまでの激しい口づけとは違う。
何度も、何度も。
確かめるように重ねられる、深く、甘いキス。
「大好き……先生」
私はただそのキスに溶かされるまま、そっと目を閉じた。