• テキストサイズ

【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第28章 「善意の逆理 Ⅰ**」


寮母さんが、必死に彼女の腕を掴んで引き留めている。



「落ち着きなさい! 今は警察の指示で、外に出てはいけないと――」

「嫌、嫌ぁっ! 死にたくないっ!!」



半狂乱になって暴れる女の子。
さっきの食堂での惨劇を見たショックで、パニックになっているんだろうか。
それにしても、尋常じゃない怯え方だ。



「……ったく。今度は何事よ。由緒正しいお嬢様学校じゃないのかよ、ここは?」



隣を見ると、野薔薇ちゃんがやれやれと盛大にため息をついていた。



「そこのあなた! 少し手伝ってちょうだい!」



不意に、寮母さんがこちらを見て声を張り上げた。



「……えっ、私ですか?」



自分を指差すと、寮母さんは頷いた。



「この子を部屋まで連れて行くから、反対側を支えてちょうだい! 私一人じゃ押さえきれなくて……っ」

「嫌だ! 離してよぉ……っ!」



まだ暴れようとする女の子を、寮母さんが抱え込んでいる。
部屋に戻って作戦会議する予定だったけど。
目の前で困っている人がいるのに、放っておくなんてできなかった。



「野薔薇ちゃん。私、手伝ってくるね。先に部屋に戻ってて」

「あんたって子は……何かあったらすぐ呼びなさいよ」

「うん、ありがと」



野薔薇ちゃんに手を振って、 急いで寮母さんと女の子の元へ駆け寄った。



「大丈夫。ゆっくりでいいから……」



暴れる女の子の腕をしっかりと掴んで、私の肩に回すようにして支える。



「いや……っ、死にたくない……っ」



間近で聞く女の子の声は、涙と恐怖でひどく震えていた。
私は寮母さんと一緒に、泣きじゃくる彼女の身体を支えながら、寮の廊下を歩き始めた。







なんとか彼女の部屋にたどり着き、寮母さんと二人でベッドへ横たえさせた。
女の子はシーツをぎゅっと握りしめたまま、まだ小刻みに震えている。
寮母さんは乱れた息を整えながら、私に向き直った。



「この子が落ち着くまで、付き添っててあげてくれる? 保健の先生を呼んでくるから」

「あ、はい。わかりました」



寮母さんは足早に部屋を出て行く。
部屋の中には、私とすすり泣く女の子だけになった。
/ 831ページ  
エモアイコン:泣けたエモアイコン:キュンとしたエモアイコン:エロかったエモアイコン:驚いたエモアイコン:なごんだエモアイコン:素敵!エモアイコン:面白い
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp