第17章 「花は蒼に濡れる**」
(……わかんない……これ、なに……?)
押し込まれるたび、中の壁が擦れて痛みと違う痺れがじわじわと広がっていく。
体が自分のものじゃないみたいに脈打って、震えて、溶けそうになる。
「……っ、ん……ぅ……っ」
さらに腰の動きがさっきよりも深く、ゆっくりとした円を描くように変わる。
(……トントンって、奥叩かれてる)
そのたびに、子宮の奥の方がずんって揺れて、下腹の内側がきゅっと縮む。
先生の動きに合わせて、“なにか”がじんと震える。
「っ……あぁっ……やっ……!」
「、感じてる?」
耳元で囁かれたその声に、思わず首を振ろうとした。
ちがう、ちがうって、言いたかったのに――
「……ん、あっ……や……っ」
出てきたのは、そんな声じゃなかった。
熱のこもった、甘くて、泣いてるみたいな――
自分のものとは思えない声。
(やだ……やだ、止まって……)
甘く掠れた声が喉から零れる。
声を我慢しようとするが、動きに合わせて息が上擦ってこぼれてしまう。
「あ……っ、あ、ん……っ、せん、せい……っ」
肌と肌がぶつかる音が、部屋の中に微かに響いていた。
先生が腰を打ちつけられるたびに、
ぱちゅ、ぱん、ぬちゅ――
濡れた音と重なり合う拍動のリズムが混ざり合っていく。
「……ん、あっ、や……せんせ、だめ……っ」
その音がいやらしくて、自分がどれだけ濡れてるか、ぜんぶ聞かれてるみたいで。
「……っ、気持ちいいなら……ちゃんと言って?」
先生の声が耳に触れるたび、全身が痺れるように熱くなっていく。
(やだ……恥ずかしい……でも、もう……っ)
何を考えていたのかもわからなくなって、腰だけが勝手に浮く。
揺さぶられるたび、喉の奥から声が勝手に漏れて――
「んっ……あっ……っ、あぁ……きもち――」
けれど、言いかけた瞬間。
ずん、と奥まで押し込まれて――
「いっ……ぁ、あっ……!」
声にならない。
言葉のかわりに、甘く震えた声がこぼれる。
「……ごめん、」
耳元に落ちたその声は、少しだけ苦しげで。
でもどこか意地悪で。