第17章 「花は蒼に濡れる**」
先端をきゅ、と摘ままれる。
「……んぅ……っ、や……」
そして、優しく転がすように、形を確かめるながらじっくりと弄んでくる。
自分の息が荒くなっていくのがわかる。
こみ上げてくる甘い声を必死に堪えようとしても――
「……ぁ……あ、んっ……」
息と一緒に甘い音がこぼれる。
漏れ続ける私の声に、先生が笑っているのがわかった。
「……我慢しようとしても、可愛い声漏れちゃってるね」
そう言いながら、左右に滑らせるようにシャツがめくられていく。
思わず私は胸元を両腕で覆い隠した。
「、隠さないで」
先生の手が私の腕をゆっくり開かせる。
恥ずかしくて涙が出そうなのに、その目があまりにまっすぐで、抵抗できなかった。
(だめ、見ないで)
そう思ったのに。
「綺麗だよ」
先生のまなざしはゆっくりと私の輪郭をなぞってくる。
まるで指で触れてくるみたいに、熱くて。
その視線に耐えきれず、言葉が漏れた。
「ちっちゃい、から……あんまり……見ないで……」
自分で言っておきながら、情けなくなった。
雑誌に出てくる“綺麗でセクシーなお姉さん”みたいな体じゃない。
そういう人の方がきっと先生には似合うのに。
(……私なんかじゃ、物足りないかもしれないのに)
だけど、先生の目は逸れなかった。
むしろ、逆にもっとじっと真っ直ぐに見てくる。
「そんなこと、気にしてんの?」
問い返された声に、思わずまばたく。
「だって……っ」
言いかけた私の言葉を、先生はあっさりと言葉ひとつで押し返す。
「――じゃあ、気にする余裕なんかなくなるくらいに、してあげる」
目元に浮かんだ、いたずらな光。
そして、次の瞬間――
その瞳の奥から溢れ出す熱に、身体ごと射抜かれた気がした。
(……っ、また……あの目……)
何かを決めた時の、先生の顔。