第17章 「花は蒼に濡れる**」
「……っん……!」
上下の唇が押し潰されるほどの圧と熱に包まれて、
角度を変えながら、深く、何度も――
求めるように口づけが繰り返される。
舌がしっかり絡んできて、
逃がさないみたいに深く入り込んでくる。
甘さも余韻もなく、ただむさぼるように。味を確かめるように。
舌が絡まるたび、頭の奥がじんと痺れて思考がかき乱されていく。
先生の指は太ももの内側をかすめるように動く。
ほんの少しズレていて――触れているようで、触れてない。
その“あと少し”が、逆におかしくなるくらい。
下腹がきゅうっと熱をもって、奥がずっと疼いてる。
先生の指が動くたび、意識がそこにばかり引っ張られて、
もっとちゃんと触れてほしいって、思ってしまう。
そんな風に思う自分が、恥ずかしくて仕方ない。
先生の唇がさらに深く重なる。
「――んっ……!」
舌がぬるりといやらしく這って、歯の裏や舌の付け根を撫でまわされ――
そのたびに、くちゅっ、ぴちゃっ……と、濡れた音が口内からいやらしく響いた。
先生の舌先がねっとりと舌を追いかけ、逃げても逃げても吸いつかれて絡め取られていく。
「ん、っ……ぷは……っ」
ようやく唇が離れた時、私と先生の口元からとろりと糸がつながっていた。
息が荒くて、胸が上下するのを止められない。
熱のこもった吐息がふたりの間に漂って、もうどちらのものかわからないほど混ざり合っている。
先生の手が胸元へと滑ってくる。
「……っ」
その指はシャツの上から、胸元のふくらみに沿ってゆっくりと滑っていく。
(……っ、そこ……っ)
やがて、布の下に浮かぶ小さな先端の上でぴたりと止まった。
薄いシャツ越しにも、そこがほんの少しだけ立ち上がっているのが、自分でもわかった。
指先の腹がそこに軽く押し当てられたかと思うと、
爪先が布越しにその上を引っかくように何度も滑っていく。
「……ぁ、ふ……っ……!」
思わず漏れた甘い声に、自分でも驚いた。
(だ、だめ……声、出ちゃう……っ)
慌てて唇を噛んで、どうにか堪えようとした――その瞬間。