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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第12章 「極蓮の魔女」


川床をあとにして、
私たちは夜の京の町を、ゆっくりと歩いて戻ってきた。


やがて、五条家の門が見えてくる。
明かりの灯る玄関先には、榊原さんが待っていた。

 

「お部屋のご準備が整っております。どうぞ、こちらへ」

 

わたしたちは、その背中についていく。
廊下を抜け、奥へ、奥へ。

 
かすかな香木の匂いが漂う、古びた木造の廊下。
やがて、ひとつの襖の前で榊原さんの足が止まる。
そして、ゆっくりと扉を開けると――

 
そこには、整えられた畳の間。
布団が二組、ぴたりと並んで敷かれていた。

 
(……え……)

 
布団が、二つ。
う、うそでしょ……!?



「……せ、先生……!?」



即座に隣の先生を見上げるが、
先生は特に気にした様子もなく、すたすたと部屋の中へ入っていった。

 
振り返って、榊原さんに声をかける。

 

「えっと……その……一緒の、部屋なんですか……?」

 

榊原さんは表情ひとつ変えず、静かに一礼する。

 

「はい。悟様のご指定通り、こちらに」

「……し、指定?」

「どうぞ、様も遠慮なさらず、おくつろぎください」

 

まって……これは、もしかして。
遠慮せずと言われても……


ぴったりと並べられた二組の布団。
なんとなく想像はしていたけれど、
こうして現実を突きつけられると、心臓の音が急にうるさくなる。
足が床に縫いとめられたように動けない。
 

そのとき――
 
先生が入口まで戻ってきて、わたしの手をそっと取った。
心臓の音が、ひときわ大きく響いた。

 

「ほら、何してんの? 早く入りなよ」

「えっ、えっ……ま、まって、こ、心の準備っていうか……っ!」

 

テンパって目を白黒させていると、背後から落ち着いた声が飛んできた。

 

「悟様、様。お風呂の支度も整っております。あとは、何かございましたらお呼びください」

「うん、ありがとー。助かるよ」

 

先生は榊原さんの方に軽く手を振った。
そして、わたしの手を引いて、部屋に入ると襖を閉めた。
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