• テキストサイズ

【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第12章 「極蓮の魔女」


「……破れてる」

 

めくられた隣のページは、中央からざっくりと裂かれ、内容のほとんどが失われていた。

 

「誰かが、意図的に破ったみたいだな」

 

そう言って、先生は破れた断面をそっとなぞる。
よく見ると、そこには何かを書きかけたような痕跡がうっすらと残っていた。

 

「“花冠”の詠みとは別に……まだ“何か”が記されてたっぽいけど……」



冊子の中を確かめるように、もう一度ぱらぱらとページを繰っていく。
先生がめくった最後の一葉――
そこには、わずかに墨が滲んだ筆文字が記されていた。

 

『この記録は 第八代 五条家当主 五条 靖厳 により編纂されしものなり』

 

「……五条……せい……げん?」

 

その名前をそっと読み上げると、先生の表情に一瞬だけ影がさした。

 

「本当に……“悠蓮”の記録が、うちから出てくるなんてね」

 

先生は小さく息を吐きながら冊子を閉じながら、ふと眉をひそめた。

 

「……にしては、腑に落ちないことが多すぎる」

「腑に落ちない?」

「もし、この記録が正しいなら。悠蓮の力って、もっと普通に評価されててもよくない?」

「……確かに、そうですね」

 

先生は破かれた頁に目を落としたまま、続ける。

 

「呪霊も祓えるんだよ? 呪術師不足の呪術界では重宝されそうだけどな」

「……破かれたところに、理由が書かれてたんでしょうか?」



問いかけながら、自分でも理由のわからない不安が胸をよぎった。
/ 730ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp