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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第12章 「極蓮の魔女」


「……、大丈夫? 少し、休む?」



先生が和歌を読むのをやめて、私の顔を覗いている。



「……大丈夫、です。続けてください……」



首を横に振って、そう答えた。
けど、声は涙で震えていた。



「……なんか、初めて聞いたのに……知ってる気がして……」

「君の中の悠蓮の記憶が、反応したのかもしれないね」



涙でまだぼやけた視界のまま、先生のほうを見つめた。

 

「……どういう、意味なんですか……さっきの和歌は……」

 

私の問いに、先生は静かに口を開いた。

 

「……ざっくり言うと、こんな意味だよ」



涙を拭いながら、静かに先生の言葉に耳を傾ける。



「“はな かむり”は、花冠のことだろうね。“たまのを ゆらぎしこゑ”は、直訳すると……魂と身体を繋ぐ“糸”が揺らいでいる」

「たぶん、何かに囚われてる――苦しんでる魂のことを言ってるんだ」



(……苦しんでる、魂……)

 

先生の言葉が、胸の奥で静かに波紋のように広がっていく。
誰かの痛みがふと重なるような感覚がして。
思わずぎゅっと服の袖を掴んだ。



「“よるのしずく”は……和歌ではよく”涙”や”悲しみ”の隠語とされる。その涙の中に浮かぶ“うつしゑ”は、その悲しみの記憶やビジョンのことだろう」

「最後の“ひかりにかへる”ってのは、魂を、あるべき場所に還す。これが、悠蓮の言っていた”送り出す”ということかもしれない。“わのまじない”――つまり“花冠の儀式”を通してね」



先生は手を顎に当て、言葉を探るように続けた。



「……全部が全部、解読できたわけじゃないけど……
魔導は花冠を使って“苦しんでいる魂”を送る、解放するためのものだったってことじゃないかな」
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