• テキストサイズ

魅惑の恋【短編集】

第39章 心は運命も本能も飛び越える✿保科宗四郎✿裏


後ろからカチャカチャと金属がぶつかる音がする。副隊長が歩き出し、後をついていった。……どこに吐き捨てたの?全て私のナカに欲しかった。そんな欲望が頭を駆け回る。

途中で副隊長はポケットから出したハンドタオルのような布を洗って、ゴミ箱に捨てた。まさか……どうしてポケットに入れてたんだ。深く考えたらダメだと思い、その思考を振り払う。

隊長室につくと、先程いた隊員が揃っていた。

「番を作れば、何も変わらず、ここに置いておこう。君の実力ならば、今の上層部なら納得させられる」

"番"……誰とは言っていないが、そんなことはわかっていた。保科副隊長と番えと言っている。

「少し時間を頂けるのであれば、僕は構いません」

どうしたらいいのかわからず、すぐには答えを出せなかった。副隊長と番ったとして、ヒートはどうする?隊にも副隊長にも迷惑をかけてしまう。そもそも、ヒート中に副隊長が相手を出来るかもわからない。

それよりも、目の前の男が欲しくて堪らない。この身体の欲など、到底抑えることなど出来ないのだ。

「すぐにとは言わん。少し考えろ。それまでこのことは他言無用だ」

頭を下げて隊長室を出る。何も言わず、上着を差し出してきた副隊長。そしてそのまま、鍵を渡された。普段は使われない、隔離室。

この人はどこまで優しいのだろう。先程は抗えるはずもない本能に抗い、私を守ってくれた。今度は、この上着を汚してもいいと言うのか。抱き締めた上着から香る、副隊長の匂い。下腹部が余計、重くなった。
/ 414ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp