第38章 いつも笑顔のあの人は…✿保科宗四郎✿
ある日、頬を染める女性隊員とその隊員の頭を撫でる副隊長を見かけた。
なんだ……ああいうのは、特別なんかじゃなかったんだ。
平気なフリをして目を逸らす。
ニコニコして頬を染めて……嬉しそうだった。私もあんな反応を取れば、笑ってくれたのだろうか。
嬉しくて恥ずかしくてしょうがなかったのに、きっと、顔には出ていなかっただろう。
「あ……ほな、また。僕、行くわ」
副隊長の声が聞こえて、駆け足の足音が近付いてくる。こちらに用事があるのだろうか。
通り過ぎていくのだろうと、「お疲れ様です」と声をかけながら会釈をした。
「三浦、どこ行くん?僕も行ってええ?」
彼は立ち止まり、肩を軽く叩きながら私の進む方向へ歩き出す。
なんの為に……あの人たちといた方が楽しいだろうに。
「ロードワークでもしようかと……」
「ふーん。僕もええ?」
そんなことされたら……余計心臓が暴れて苦しくなりそう。
でも、少しでも近くにいたくて、頷いた。