第37章 禪院直哉の溺愛奴隷✿禪院直哉✿裏
私の肌から唇を離した直哉様は、ぎゅっと抱き締めてきた。痛いくらいに苦しいのに、落ち着く。大っ嫌いだったはずなのに……。
直哉様はぽつぽつと、何か話し始めた。
「俺、ずっと金、貯めとったんや。ほんで、やっと貯まって……美影ちゃんもろた。美影ちゃんは全部、俺のやで。髪の毛1本から、爪の垢までな。俺の嫁や。誰の目ぇにも映したないし、声も聞かれたない」
すぐに理解は出来なかった。直哉様が私を手に入れる為に、どうしてそこまで……直哉様なら簡単に自分のものに出来ただろうに……。
少しだけ腕の力を緩めた直哉様は、額を合わせて見つめてくる。
「ほんまに俺の嫁やで?もう籍も入れとる。……何も言わんの?」
もう本当に夫婦だったんだ。直哉様を完全に理解は出来ていないが、何故だか嬉しかった。目の前のこの男は、既に私のものなのだと。
「……嬉しいです。直哉様とずっと一緒にいれるんですよね?」
直哉様は少し眉間に皺を寄せたあと、嬉しそうに笑った。私もつられて笑うと、涙が零れた。嬉しくて堪らない。
いつしか、私にとって直哉様の存在は、傍にいたいものになっていた。