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『おにいちゃん』の、言うとおり

第3章 瑠璃—るり—





嬉しかった。
必要としてもらえた。
お兄ちゃんのそばに。
いられることが。
ただただ。
嬉しかったの。


『…………いいよ』



大好きなお兄ちゃんたちが望むならあたし、何でもするよ。
それが悪いことだったとしても。









「おいで、瑠璃」



嬉しかった。
お兄ちゃんが甘く、名前を呼ぶたびに胸の詰まりが消えてくみたいで。



「瑠璃、指舐めて」


黎に言われるままに黎の指へと、舌を這わせば。
黎の親指と人差し指が、舌を捉えて。
閉じられない唇の端から唾液が溢れる。
「瑠璃、そのまま」
指先を入れたまま、黎の唇が重なって。
舌が入ると同時に指先が、消えていった。
「覚えて瑠璃。これがキスだよ」
後ろから燐が、髪を避けて首へと口付ける。
ちゅ。
て。
音を立てて燐が首から耳まで、舌と唇を押し当てていく。



「…………そう、キス気持ちいいね、瑠璃」


黎とのキスに酔いしれていれば。
後ろから回された手のひらに誘導されて。
今度は燐と、唇が重なった。
「瑠璃」
黎の、舌が。
あたしの指を舐めとるのが視界に映って。
思わず視線を預けると。
目の前が突然真っ暗になって。
「燐」
黎の舌が、離れてく。
「今は僕に集中して、瑠璃」
「瑠璃、こっちも」


「っ」


奪われた視界のまま。
耳へと感じたザラザラしたあったかな感触。
に。
反射的に肩がすくむ。
「瑠璃、耳好き?」
黎の言葉に。
燐とのキスに酔いしれながら頷いた。




「…………そんな顔できんのな、おまえ」
「キス、気持ちいいね?瑠璃」



甘美な余韻は破滅への第一歩。
ちゃんとわかってる。
ふたりが何にもわかってないこともわかってる。





悪いのは。





ひとりになるのが怖くて。
お兄ちゃんを誰にも渡したくなくて。
全部飲み込んでお兄ちゃんに抱かれたあたし。
だから。
お兄ちゃんたちは何にも悪くないよ。



罪はあたしの罪だから。



罰を受けるのは。


瑠璃だけで十分なんだ。
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