第1章 【弟】
『お兄ちゃんっお財布ちょーだぁい♡』
「...くらいパンチがあって半ばグレてるんだけどでもときたまに見せるほんのわずかな優しさがあってこっこいつ〜♡くらいにまでは可愛く思える弟が1番良いんだよ!!!」
と、鞄に頭をつっぷしたまま、俺は叫び倒した。
「えっ...ええっ...そうなのか...?」
泪はニコニコして、うろたえ瞬に続く。
「それがカナエくんの理想の弟さん像なんだねぇ..えーっと僕の理想の弟さん像はねぇ」
「ちょっと黙っててくれる泪...」
と、マイペースたはたは微笑み男子高校生、泪の歯止めをきかせて俺は立ち上がった。
まぁ、俺もちょっと暴走しかけたけど。
「あっいけねっもうこんな時間!ごめんだけど弟待ってるから先帰るわ俺!」
おっじゃあなー!と、うんっばいばい〜の2人の声が後ろから聞こえた。
俺は、弟待つ家にいそいそと帰ったーー。