第1章 【弟】
泪が口に手を当てて「たははっ、僕見つけちゃったぁ〜」と、俺のスマホから勝手に動画を流していた。
『お兄ちゃんっ!だぁいすきっ♡土日は僕とっ♪何をするでもなくっ一緒に過ごすのー!ねぇっお友達とっ浮気しちゃっやっ!だよっ!』
...スマホから流れ出た動画のこの声は何かの作品のキャラクターじゃない。俺の弟です...。まぁ、義理の弟なんだけどさ...。
両親が再婚したとき、連れられて、突如現れた俺の義理の弟、昴。
あっ、妹じゃないんだぁ〜じゃあ義理だからって間違いが起きる事もないかぁとちょっと安心してたら、
コレだよ...!!!
「は、ハハ...距離感は大事かもだけどな〜」
と、デキる瞬はフォローをしてくれる。
「僕がカナエくんの彼氏かぁ、光栄っ」と、泪はふふっと微笑む。
「ここまで素直すぎたらむしろ怖ぇよっ!弟はっ..例えばこんな感じで..!」
『兄ちゃん3秒でプリン買ってこいや』