第10章 【後輩】
「ぐはは...」
頬杖をついて、俺は涎を垂らした。
ーーーやった...!俺はやったんだ...!
部屋ん中でただ一人、物思いに耽っていた。
昨日の少年...想といったか。
名前にぴったりの、小動物のような綺麗な人間。彼を救ってやったのはこの俺なんだ...
くくく...と何もしてなくても笑いが込み上げてくる。
昨日からずっとこんな調子だ。
昨日殴られたばかりのはずの傷は、しかし全く痛みを感じない。
あの後、警察の人に事情聴取されてそのまま家に帰ってきたのだが..。
彼とはあれっきり、一言も会話を交わさなかった。
「きっと..」
きっと...
彼は、俺に憧れただろう。
あれだけの事を、俺はやってのけたから。
もしかして、今頃また俺と会話をしたがってるかもしれない。
あの震えるまなざしで、俺を探しあぐねているのかもしれない。
そう思うと身震いがした。震わせないと、興奮を発散させる事が出来ない。
...そうだ。さながら昨日の俺は少女マンガのイケメンヒーロー..
ヒロインのように可愛らしく、彼は俺に焦がれるのだ...
あの、何よりも純朴な瞳で...