第1章 episode1
ピロンッと携帯がなりチャットアプリを開く。
轟先輩【今日来るのか?】
その一文でこの間言っていたホークスの言葉を思い出す。あの人誘っておいて日にち教えてくんなかったわ。
そして数秒経たないうちにもう1件。
緑谷先輩【久しぶり!ちゃん今日来るの?】
絶対私行くことになってるよねこれ。
そう思いながら特に今日はなんの予定もないし先輩方に「はい」とだけ返事を送った。
そしてトーク履歴から【ホークス】の名前を探し出し呼び出しボタンを押す。
《なーにー》
〈なーにーじゃないですよ。私もう飲み会行くの決定みたいになってんじゃないですか。〉
《ハハッみんなからメッセージきた?》
〈はい。場所と時間教えてください〉
そう言うと部屋のベランダからトントンという音が聞こえる。
『またですか…』
そう呟いてカーテンを開けると羽と手をヒラヒラさせているホークスがベランダに立っていた。
ベランダを開けると疲れた〜とヒーロースーツをはだけさせる彼。
『ベランダから来るのやめてくださいって言いませんでしたっけ?』
「面倒なんだもん」
といってペロッと舌を見せる彼に何を言っても無駄かと諦めてため息をつく。
『で?場所と時間は?』
「19時に〇〇駅の前。」
時計を見ると15時を指していてまだ時間があるなと思った時だった。