第1章 episode1
― ホークス side ―
テラスで仕事のあとの一服をしているミス キットこと 。
真っ直ぐ腰まで伸びた綺麗な艶のある黒髪に真っ白な肌。息を飲んでしまいそうな漆黒の猫目と小さな鼻。ポテッとした薄桃色の唇をした彼女の顔は子猫のように愛らしいがどこか大人っぽくもある。
6つも下とは思えないほどなんとも言えない色気。
イレイザーヘッドの名前を出すとむせ返ってあからさまに動揺しているが変わらずにポーカーフェイスを貫くをからかいたくなり、剛翼を使って引き止めてそのまま抱きしめる。それでもなお表情ひとつ変えない彼女の髪を耳にかけると首筋ついてる小さな赤い蕾を見つけて思わず口角が上がる。
数日前に俺が彼女に残した欲望。
『からかわないでください。』
「からかってないよ?こんな綺麗な女、誰だってみたら欲情するでしょ。イレイザーに個性使ったらダメだよ?」
『そんな私用で個性なんか使いませんよ。帰ります。』
そう言って更衣室に行ったを横目に俺も私服に着替える。
…聞こえてるっつーの。
カーテンの奥からは何度ものため息が聞こえてきて、如何にも「まだイレイザーが好き」と言ってるようで肩を落とす。
年下相手にあまりにも自分の余裕の無さに嫌気がさす。
3日前の夜あんなに可愛がったのに。あんなに求めあったのに。それでもお前は俺じゃなくてあの人ばかり追いかけているのか…。
着替えを終えたに危ないから送っていくと言ったがあまりにも天然な返しに拍子抜けし頭をかくことしか出来ず、の背中を見送った。
あいつは自分がどれだけ妖艶な存在か分かってねぇ。
俺は剛翼をのカバンの中に忍ばせ、自分も帰路へと飛び立った。