第4章 episode4
少し歩いたところにある小さな公園。
青い錆びたブランコに腰をかけ、ゆっくりと漕ぐ。
よかったってなんなんだろう。
私に彼氏がいなくてよかった?
じゃあもしホークスが、爆豪先輩が私の彼氏だったら先生は悲しむの?
なんで??
私を振ったのは先生でしょ?
どんどん鎖を握る手に力が篭もる。
危うく変形しそうなくらい。
『ばーーーーーーーーーーか!!!!』
モヤモヤを追い払うようにそう叫んで、ブランコを止める。
「いたいた。」
『あ…』
声のする方へ振り返ると、ジャージ姿の轟先輩。
「叫び声で分かった。」
『なら良かったです。』
「泣いてんのか?」
『泣いてないですけど?』
「じゃあこれはなんだ」
と、轟先輩が私の頬を拭い、濡れた手を見せる。
私無意識に泣いてたってこと?
怖すぎ。
制御出来ない自分の気持ちと轟先輩の手の温もりにどんどん涙が溢れてくる。
『すみませッ…』
「気にすんな。好きなだけ泣け。」
そう言って轟先輩は胸を貸してくれて、子どもみたいに泣きじゃくった。
フラッシュバックする過去の記憶。
気持ちに答えられないって行ったのそっちじゃん。
なのになによ今更。
相澤先生のバカ。