第1章 episode1
状況を把握するのには時間がかからなかった。
ベッドに押し倒される私と私の上に跨るホークス。
「時間余ってるからさ、シない?」
ギラついている彼の目をそらすことが出来ず、まさに鷹の前の雀。
『仕事中…じゃないんですか…』
「このために急いで終わらせてきたんだよ」
そう言ってヒーロースーツの上着を脱ぐと黒のタイトなスーツがいやらしくもこれでもかと言うほどに筋肉を強調させていて直視しずらい。
「みてよ。俺の事。」
そう言うと私の頭や顔にいくつもやさしいキスをちゅっちゅっと音を立てながら落としていく。
ホークスとするのは…初めてでは無い。
雄英卒業後、初めての現場で初めて会ったホークス。
何故か私は彼に気にいられて彼のセフレのような関係になった。
彼が私の初めての人。
利用しただけかもしれない。
あの人を忘れるために―――。
きっとそれは彼も理解していて、私たちの行為に愛はなかった。ただただ、お互いの欲望を満たすだけの行為。
「またイレイザーのこと考えてた?」
そう言って私のTシャツをいとも簡単に破ってしまったホークス。反射的に胸を隠して睨みを効かせる。「おー怖い。」なんて言っているが全く効果なんてない。
『脱がせればいいのになんでッ』
「こっちのほうが興奮すっけん」
そう言って私の両腕を胸からどかして頭上で固定する。
そして顔から破かれたTシャツから顕になった膨らみを舐めるようにみて「えろッ」と呟き貪るようなキスをする。