第4章 1歩ずつ
千明side
目が覚めると佐野はもう家を出ていた。
ちゃんと休めているのか心配だ。
昨晩のことを思い出す。
久しぶりに佐野と話した。
それにキスもした。
あれは俺がしたくて誘った。
俺の本当の気持ちだ。
俺は佐野が好きなんだ。
だって今もドキドキしている。
もっとしたいと思った。
『もう遅いから寝ろ』
そう言って佐野はすぐに部屋に戻ってしまった。
「もっとしたかったな……」
次ゆっくり話せる時に思いを伝えよう。
これだけ俺を大事にしてくれて、信じれない訳がない。
それは分かってる。けど……
「なぁクロ〜。俺アイツのことすっげぇ好きだわ。でもさぁ素直になれないんだよなぁ。どうしたらいいかなぁ。」
クロを抱き抱えお腹に顔を埋める。
クロは少しやめて欲しそうに低く鳴いた。
素直に「好き」と言えるのが羨ましい。
そういう人の方が可愛いし、佐野もきっとそっちが好きだろう。
優さんも素直そうだもんな。
「飽きられないかな……俺可愛くないし。美人でもないし。素直じゃないし。」
流石にクロも面倒くさいと思ってきたのか俺の腕から離れてご飯を要求してきた。
「はいはい、飯ね。」
こういう時に相談できる相手がいないのは寂しい。
話せる母親でも友達でもいたら少しは違ったのかな。