第4章 1歩ずつ
千明side
次の日目が覚めると、俺の横には佐野が眠っていた。
あまりの至近距離に驚いてしまった。
「ちょ……ちか…い//」
キスできる距離だ。
佐野はまだ目を覚まさないようだ。
今ならキスしてもバレないな…
ふと我に返り、何を考えているんだとショックを受けてしまう。
何でこの人俺の布団で寝てるんだ?
昨日それぞれの部屋に戻ったよな?
寝ぼけてたのか?
そっと布団から出て、台所に向かう。
時間はまだ朝の5時。
佐野が仕事に行くまでに終わらせないと。
これから一緒にご飯を食べることが少なくなってくるかもしれない。
だったらせめてお弁当でも作りたい。
そう思って昨日慌てて準備をした。
俺が佐野に対してこういうことをしたいと思うのはきっと、心のどこかで「好き」だという感情が芽生えているからだと思う。
それでも軽い気持ちで好きなんて言えない。
どこまで信じていいのかまだ分からない。
信じてみたい。
だから少しずつ歩み寄りたい。