第43章 裏切りの擬装
2人きりになり、静かになった車内で、椛は声を掛けようとしたところ、先を越されて言葉がかかる。
沖矢「今日は災難でしたね。」
進行方向を見据えながら、ちらりと助手席に座るに視線を向ける。
椛「…そうですね、最近事件が続きますね。」
沖矢「今日、組織の人間が来るって知ってたんですか?」
椛「まさか…
道すがら、蘭ちゃん達に会ったのは偶然だったし、元々は別の予定があったけど、それがスライドしたのも偶然ですよ。
そっちこそ、コナン君も昴さんも今日組織の人間が来るって、知ってて来たんですか?」
沖矢「いや…
何か関わりがあるかと思って探りに来てはみたが…
まさか彼らと鉢合わせるとはな…」
椛「そう…」
どうやらバーボンとベルモットが来ることは、沖矢もコナンも知らなかったと知り、少しホッと胸を撫で下ろした。
椛「それに…
組織の人間を連れて、組織側として来るって知ってたら来なかったかも。」
沖矢「?」
椛「梓さんの変装をしたベルモットも、連れて来るって知ってたら…
行かなかったかも。」
沖矢「まぁ、それはバーボンとしても想定外の様だったようだが…
理由を聞いても?」
椛「私が組織に関して関わると、そのあと彼、多少なりとも機嫌が悪くなるから。」
沖矢「なるほど………
まぁ…
それに関しては分からないことも無いが。」
椛「そうなの?」
沖矢「惚れた女を、危険な事にわざわざ足を突っ込ませたくはないだろ、男として。」