第43章 裏切りの擬装
椛「うふふ。
困らせてしまいましたか…
けど、電話をかけてきたのは安室さんの方ですよ?
私は今日は流石にもう何も無いと思って…
素直に寝ようと思ってたのに…」
安室「まぁ、そうですよねw
自業自得でしたね。
……少し、心を落ち着けたくて…
椛さんの声を聞いたら、落ち着くと思ったんです…」
昼間の事件自体は、そんなに彼にとっては大したことでは無かっただろうし…
きっと、場に居合わせた時の人間模様の、攻防についての事を言ってるのだろう。
なんて切り返すか少し迷うが…
椛「分かってはいたし…
しょうがない事だとは理解してますが…
湧き上がってくる感情は隠せても、消す事は出来ません。」
安室「…?」
椛「私はイラッとはしてましたよ?
正直。」
今日の昼間の感情を、安室モードの彼に素直に打ち明けてみる。
椛「と言っても、安室さんの方のイラっとも大分バッチリ伝わってきてましたけど。」
安室「…ふふっ…
そうでしたか…」
何か面白かったのだろうか…
それとも、そんなふうに言われると思ってなかったのだろうか…
電話口で小さく笑っているような気がした。
安室「クスクス…
まぁ、そうですね…
…椛さんは何イラっとしたか聞いても?」
椛「あの女、安室さんの腕に胸押し付けながら抱きついてた。」
隠す気がないのか、即答でストレートな物言いが返ってくる。
そんな彼女の返答がやはりおかしかったのか、安室は引き続きくすくす笑っている。