第43章 裏切りの擬装
梓「貴方、やっぱり女作ってたんじゃ無い。
あーゆー女が趣味だったのね…
ちょっと意外だったわ。」
安室「…何の事です?」
梓「あら、誤魔化さなくてもいいわよ。
最近、助手席に乗せてたのはあの女ね。
……貴方の彼女なんでしょ?」
安室「…世間に馴染みやすい様、『安室透として』付き合ってるだけですよ。
ただのカモフラージュです。」
梓「ふーん…
まぁ、どうだか…
取り敢えず今日のところは、そーゆー事にしておいてあげるけど。
ジンには目をつけられない様にしたら?
あんななんて事無い、何処にでもいそうな普通の小娘、ジンに捕まったら利用されてポイよ?」
安室「……普通の小娘ねぇ…」ボソっ
梓「えっ?
何か言った?」
安室「いえ、別に…
いくら僕の事が気に食わないジンでも、女一人を駆け引きに持ち出しても、僕が靡かない事ぐらい想定の範囲内でしょう?」
梓「まぁ、確かに…
それもそうね。
ねぇ、あと…
あの彼は…
何者なの?」
安室「沖矢昴っていう東都大学の大学院生で…
住んでいるのは阿笠という博士の家の隣の……
!!」
安室の視線の先に、高木刑事に頼まれて皆と同じ様に、筆跡鑑定に協力している沖矢の姿が目に入る。
梓との会話をやめて、高木刑事と沖矢の元へ足を進めて声をかける。
その表情は何か、面白い物を発見した時の少年の様でもあり…
獲物にターゲットを絞った肉食獣の様な…
ギラリと光る様な輝きを瞳に宿していた。