第31章 【贖罪の旅】
「おかえりなさい、クリス」
「ああ、ただいまハーマイオニー」
女の子同士は互いに笑顔になり、ギュッと抱きしめ合うと、それこそ恋人同士のようにお互いの額をくっつけて微笑み合った。
それを見ていた男性軍は口々に不満を漏らした。
「なんか、ハーマイオニーだけ得してる気分」
「僕もそう思う」
「グレンジャー!僕の役目を奪うな!!」
「煩いぞドラコ。それより、私の召喚の杖はどこだ?」
「えっ!?ええっと、確かこの辺に……」
周囲を見渡すと、瓦礫に紛れ見るも無残な姿になった召喚の杖があった。
元々ヒビも入っていたし、ヴォルデモートが無茶苦茶な使い方をした所為で、杖が負荷に耐え切れなかったのだろう。それを見た5人は、思わず「うわぁ……」と小さく唸った。
「見事に粉々ね」
「……仕方がない、集められる欠片だけでも集めよう」
「集めてどうするの?こんな粉々じゃあ、精霊の召喚も出来ないんじゃない?」
ロンの言う通り、こんなにバラバラになってしまっては召喚など無理だろう。だがクリスはそれも承知とばかりにローブを風呂敷の様に広げると、召喚の杖の欠片を拾いながら驚くことを口にした。
「召喚する為じゃない、返すために集めてるんだよ」
「返すって、どこに?」
「精霊たちの住処である、ティルナ・ローグだ」
「精霊たちの――」
「――住処!?」
初めて聞いた『精霊たちの住処』という言葉に、その場にいた4人のテンションが上がったのがハッキリと目で確認出来た。
「凄い!僕たちも行ってみたい!!」
「行ってみたいって……普通では行けない場所だぞ?多分長い旅をすることになる」
「な、長旅かぁ……」
「僕らもう旅はこりごりだよ」
わいわいとした賑やかな声が届いたのか、しばらくするとネビルがひょっこり顔を出した。
それから次から次へと色々な生徒たちが集まり、ハリーがヴォルデモートを完全に消滅させたと説明すると、みんな揃って両手を上げて喜んだ。