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ハリー・ポッターと贖罪の代行者

第31章 【贖罪の旅】


「――そうだ!あれだ、僕の火消ライターがある!!」
「火消ライター?なんで今そんな物を……?」
「忘れたの?最後に吸い取ったのは、クリスのお母さん――光の精霊だ!普通の魔法なら駄目でも、精霊の力なら、もしかしたら、もしかするかもしれないよ!!」
「凄いわ、ロン!貴方とっても冴えてるわ!!」

 ハリーには何のことを話しているのか分からなかったが、どうやらダンブルドアの遺贈品である火消ライターの中に光の精霊がいるらしい。
 それを知ったハリーは心臓が早鐘を打った。ロンの言う通り、もしかしたら、もしかするかもしれない!!

「それじゃあ、いくよ?」

 緊張しつつも、ロンがライターを1度カチッと鳴らすと、ロンの言う通りライターから蜂蜜色の髪に純白の羽根を持った、天使の様な姿をした光の精霊が現れた。
 その神々しくも柔和な横顔に、皆が息をのむ――。
 光の精霊は一度だけハリー達に向かってニコリと笑いかけると、横たわるクリスに重なる様に身を倒し、そのまま溶け込むようにスーッと消えて行った。

「どうだ!?」
「お願い、目を覚ましてクリス!!」
「クリス、頼む!起きてくれ!!」

 しかしクリスはピクリとも動かなかった。
 やはり駄目だったのか……。皆が落胆の色を隠せずにいると、クリスの長いまつ毛がピクッと動いた。

「…………さ……い」
「――えっ?」
「うるさい……人の、頭の上で……ギャーギャー……騒ぐな」
「その憎まれ口!!」
「正しく僕のクリスだ!!」

 そう言ってドラコは満身の力を込めてクリスを抱きしめると、角度を変えながらクリスに何度もキスをした。
 クリスは恥ずかしいやら苦しいやらで、顔を真っ赤にしながら潰されたカエルの様に「ギュェ」と小さく声を上げた。その色気のない声に、ハリー、ロン、ハーマイオニーはこれぞクリスだと断定した。

「本当に!?本当に僕のクリスで間違いないんだな!?」
「誰がお前のだ!ええい、これ以上くっつくな!!」
「そうよ、どいてよマルフォイ!クリスが生き返って嬉しいのは貴方だけじゃないのよ!?」

 ハーマイオニーは無理やり体当たりでドラコを押し退けると、クリスの体をギュッと抱きしめた。
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