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ハリー・ポッターと贖罪の代行者

第31章 【贖罪の旅】


「――……リー!ハリー!しっかりしろハリー!!」

 必死な形相のロンに揺さぶられて、ハリーは目を覚ました。
 ぼんやりとした頭で、自分が何をしていたのかを必死に思い出そうとした。そして思い出したその瞬間、ハリーはバネの様に飛び起きた。

「クリスは!?クリスはどうしてる!!?」
「クリスは……今、マルフォイとハーマイオニーが……」

 ロンは苦い顔をして返事を濁した。その表情を見たハリーは目を見開き、慌ててクリスの元に走った。
 クリスの傍ではハーマイオニーが静かに涙を流し、マルフォイは力の抜けきったクリスの体を抱いている。

――嘘だ、嘘だ、嘘だ、嘘だ、クリスを……僕がクリスを殺してしまったなんて、そんなの嘘だ。

「クリス!起きてくれクリス!!頼むから目を開けてくれ!!」

 ハリーがクリスの手を取ると、やや体温を感じることが出来た。が、それも時間の問題かもしれない。
 ハリーが困惑していると、ドラコがすっくと立ちあがった。そして氷の様に冷たいブルーグレイの瞳でハリーを睨むと、杖を構えてハリーに凄んだ。

「杖をとれ!ポッター!!決闘だ!クリスの仇を取ってやる!!」
「そんな……死ぬはずない!僕とヴォルデモートの魔法は、ぶつかり合って空に消えて行ったんだ!だからクリスが死ぬはずないんだ!!」
「黙れ!!クリスを殺しておいてよくもぬけぬけと!!さあ杖を構え――」
「いい加減にしてよッッ!!!」

 クリスのすぐ傍にしゃがみ込みながら、ハーマイオニーが甲高い大きな声でそう叫んだ。

「そんな事をして何になるって言うの!?クリスが生き返るとでも言うわけ!!?馬鹿じゃないの!?そんなことしてもクリスは生き返るどころか、少しも喜びはしないわよ!!」

 ハーマイオニーの言葉を受けて反省したのか、沈静化したドラコは静かに杖を下げた。
 そうだ、そんな事をしてもクリスは喜ばない。と同時に、何をしてもクリスは生き返ることはない。誰もがそう思っていた次の瞬間――
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