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ハリー・ポッターと贖罪の代行者

第29章 【帰らぬ人】


「ベラトリックスにDA軍団を潰されてから、皆と上手く連携が取れなくなっちゃって……みんな散り散りになっていたところに、ルーピン先生とシリウスが助けに来てくれたんだけど……」
「待って!それじゃあシリウスは今どこに!?」
「分からないわ。ルーピン先生が倒れた次の瞬間には、ものすごい剣幕で敵陣に突っ切って行ったから……」

 バーサーカーって、きっとああいう人の事を言うのね。とジニーは小さく体を震わせながら呟いた。
 確かにベラトリックスが現れて以降、ホグワーツ全体の雲行きが怪しくなってきていたが、よりによってルーピン先生が逝ってしまうなんて思わなかった。
 先生が亡くなった事はとても悲しかったが、それよりもハーマイオニーの胸を占めたのは、クリスの事だった。

「私っ……私、クリスになんて言えば良いの?」

 あんなに大好きだったルーピン先生の死を目の当たりにした時のクリスの心境を考えると、ハーマイオニーは胸が詰まって息さえ満足に出来なくなった。
 そんな時だった、姿現し特有のパチンッと弾ける音がしたかと思うと、なんとそこにハリーとロンとネビル、それとドラコの4人が揃って校庭に現れた。

「ハリー!?」
「ハーマイオニー!!」

 思いもよらなかったハリーの登場に、感極まったハーマイオニーは思いっきりハリーに抱き着いた。それを見たロンが、「ゴホン!」と分かりやすく咳をすると、ハーマイオニーは慌てて涙をぬぐい、ハリーから離れた。

「皆にまた会えてよかったわ!私、私……」

 言葉にならない言葉を引き継ぐように、ハーマイオニーはルーピン先生の遺体に目をやった。DAメンバーもハリーの登場に喜びはしたが、浮かぶのはぎこちない笑顔ばかりだった。
 長い沈黙が続く中、ハーマイオニーが最初に口を開いた。

「……ねえ、クリスはどうしたの?まさかまだ人質に!?」
「いや、それは……」

 ハリーが説明しづらそうに言葉を探していると、突如耳鳴りの様なキーンとした嫌な音と共に、聞きなれたクリスの声が、耳を通さず直接ダイレクトに頭の中に響いて来た。
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