第27章 【終わる時】
――ふと、ハリーは目を覚ました。
だが何があったのか、そして此処が何処なのかが全く分からない。辺りは白いもやに覆われていて何も見えず、分かっていることと言えばただ1つ。自分がうつ伏せに倒れているという事だけである。
ハリーはうつ伏せになっているのなら、立ち上がることも出来るだろうと思って、体に力を入れた。すると、その時初めて自分が裸だということに気付いた。
途端に恥ずかしくなったハリーは、どこかに服がないか辺りを見回した。すると次の瞬間、足元にホグワーツの制服が現れた。それだけでなく、ちゃんとメガネまで揃っている。
そしてポケットには何故かダンブルドアからの遺贈品であるスニッチが入っていた。
「あれ?何だろう、何か書いてある」
スニッチの黄金色の胴体に、どこかで見たような細い字で言葉が刻まれていた。
おかしい、このスニッチに文字なんてなかったはずだが……。ハリーは刻まれた文字を声に出して読んでみた。
「私は……終わるときに開く?」
ハリーは独り呟いてみたが、その声に反応するものは誰も居なかった。だが、何処からかうめき声のようなものが聞こえてきて、ハリーはその声がどこから聞こえてくるのか辺りを見回した。
すると白いもやに包まれていた世界が、少しずつその全貌を明らかにし始めた。
そこは紛れもなくホグワーツ特急の留まる9と3/4線のホームだった。1つ違う点としては、それらを構成しているのが白いもやで出来ているということだ。
まるで夢のような不安定な世界の中で、ハリーはどこからともなく聞こえるうめき声の主を探した。
するとホームにあるベンチの下に、皮膚が剥がれてザラザラした血だらけの赤ん坊のようなものが、体を丸めてうずくまっていた。
ハリーはそれを手に抱きかかえようとしたが、手を差し出すと同時に、ハリーは酷い嫌悪感に苛まれた。
「君にはどうすることも出来んよ、ハリー」
はっとして振り返ると、そこに居たのはダンブルドアだった。ハリーはすぐさま立ち上がり、驚きの表情をダンブルドアに向けた。
「ダンブルドア先生!?」
「さよう、久しぶりじゃなハリー」
「……っていう事は、ここは天国なんですか?」
「それは少し早計と言うものじゃな、ハリー」
驚いているハリーとは対照的に、ダンブルドアは楽しそうに笑っていた。
