第27章 【終わる時】
「くくく、ははは……はぁーーっはっはっはっは!!!やったぞ、やっと最高の『器』を手に入れたぞ!!」
「まさか……わ、我が君であらせられますか?」
「そうだ!長年の時を経て、漸く召喚師の肉体を手に入れたのだ!しかもクィレルの時と違って馴染みが良い!!これまでになく最高の気分だ!!」
禁じられた森の奥深く、かつてアラゴグと呼ばれた巨大蜘蛛の巣の前でクリスが……いやヴォルデモートが高らかに笑った。
――そう、これこそがヴォルデモートが十数年かけて作り上げた計画だったのだ。
全てはヴォルデモートが精霊を意のままに操れる様になる為に。また、もしもの時の為に『器』としてクリスの肉体を乗っ取るために、クリスの母であるレイチェルを犯しクリスを産ませたのだった。
「さあ、今こそ凱旋の時だ!これよりホグワーツ城へ向かう!」
ヴォルデモートは、まるで初めておもちゃを買って貰った子供の様にはしゃぎながら、召喚の杖を手に取り天を穿つように高々と掲げた。
「出でよ、ウンディーネ!サラマンダー!シルフ!ノーム!貴様らの力を穢れた血たちに見せつけてやれ!!」
ヴォルデモートの言葉に呼応して、同時に4体もの精霊が召喚された。
だが召喚したのがヴォルデモートであった為か、4体ともクリスが召喚した時とはまるで違う姿をしていた。そればかりか、精霊達は正気を失った獣の様に暴れまわった。
空は分厚く黒い雲に覆われ、強い雨を伴った嵐が巻き起こり、地面が隆起した処からはマグマが噴出していた。
その中心で、ヴォルデモートは大声を上げて笑いながらホグワーツ城へ侵攻して行った――。