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ハリー・ポッターと贖罪の代行者

第27章 【終わる時】


 ベラトリックスを一蹴すると、クリスは大胆不敵にも、ヴォルデモートの真ん前に立った。2人の間に、全く同じ紅い瞳が、互いを引き合わせるかのように絡み合う。

「ついにこの時が来たな、ヴォルデモート」
「小娘風情が。少し躾が必要のようだな?」
「必要なのは貴様の棺だ!!」

 そう言うなり、クリスの足元に突如として黄色い魔法陣が出現した。それと同時に、局地的な大きい地震と地響きが辺りを襲い、死喰い人達は声を上げて恐れおののいた。
 この魔法陣はあの時と同じ――トム・リドル・シニアの墓場で使った魔法陣と同じものだ。
 まるで『あの日』を思い起こさせるような状況に、ヴォルデモートだけでなく周囲を取り囲んでいた『死喰い人』達も怖れおののき、方々へ逃げまどった。
 そんな中、ベラトリックスが大声を張り上げた。

「何故!?召喚の杖も無いのに、何故精霊が召喚が出来る!?」
「貴様らには死んでも分からないだろう。召喚も魔法も、本当に大切なのは杖や呪文じゃなく、絆だからだ!!――出でよ、ノーム!!」

 クリスがそう叫ぶと、地面が大きく隆起し、そこから巨大な斧を持ったゴーレムが大地面を裂いて現れた。その体は巨人のガーグとも渡り合えるほど大きく、そして厳めしい。

 ノームはうなり声をあげると、ヴォルデモートめがけてその大きな斧を振り下ろした。――が、斧は僅かにヴォルデモートを避けた。
 しかし斧を振り落として出来た大きな地割れに、ヴォルデモートは、かろうじて左手一本でぶら下がっていた。

「我が君!!」

 ご主人様の危機的状況に、ベラトリックスが真っ先に駆け付けようとしたが、クリスの方が一歩早かった。

「サラマンダー!!」

 クリスが叫ぶと、今度は赤い魔法陣と共に筋骨隆々のサラマンダーが現れた。
 サラマンダーはその太く長い胴体をシュッとくねらせると、その中にクリスを囲った。それだけではなく、主人の邪魔はさせまいと、両手に真っ赤な炎を携えている。

 そしてクリスは、今まさに地割れに落ちんと必死になっているヴォルデモートを上から見下ろした。その目は氷の様に冷めており、そしてこれから行うことに対しても情けなど欠片もない顔をしている。
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