第26章 事変
思考停止している私の腕を掴んで家の中に入り、ずんずんと長い廊下を歩く悟。
すれ違う女中さんたちは悟のために道をあけ、悟のために頭を下げている。
一番奥の部屋の襖をスパーンと勢いよく開けるとそこにはたくさんの人がずらりと並んでいて一気に私に視線が集まる。
この人達って五条家に仕えている人?
滅茶苦茶私の事睨んでるじゃん。
それもそうか。
犯罪者の妹を嫁にするだなんて、御三家としては許しがたいことだ。
「おっはー。みんな元気にしてる?」
そんな中、重苦しい雰囲気とは真逆の軽薄な声が部屋中に響いた。
「この子が僕のお嫁さんになる夏油さんね」
シン、と静まり返る室内。
私の心臓が今にもはちきれそうだ。
すると一番奥に座っていた老婆が頭を深々と下げた。
放たれた言葉は私を嫁にする事への批判の言葉。
それに同調するかのように周りも次々と私との結婚を認めないと言い放った。
私は結婚の話自体今さっき聞いたばかりで、何がなんだか分からない。
「君達が反対したところで僕は以外の人間と結婚するつもりはないから。それに認めて欲しくてここに来たわけじゃない。ただの挨拶だってことをわかりなよ。これは決定事項。ハイッ!!これで挨拶終わり!!」
パンと手を叩く悟は言うだけ言って再びスパーンと襖を閉めた。
当事者であろう私が何一つついていけていないことに関してはどう思われているのかを聞き出したい。