第26章 事変
――夏油傑side――
10月19日。
私と真人は与幸吉の所へと赴いていた。
私達に協力し情報提供するその対価として、真人の"無為転変"で身体を治す。
そういう"縛り"を結んだ。
本当は渋谷でも働いてほしかったがそれはあの子に任せよう。
身体を治した与幸吉と真人の戦闘が始まり、私は高みの見物。
なかなかおもしろい展開で思わず見入ってしまった。
まさか"簡易領域"を見ることができるなんてね。
「少し危なかったんじゃない?」
戦いを終えた真人にそう言うと、「すべて計算。危ないなんてことはない」と答えた。
成程。
術が発動するタイミングに合わせて自分で弾けたと言うのか。
巨大なロボットからは大量の血が滴っている。
あれで生きている人間はいないだろう。
協力、感謝するよ。
本番前にいいものも視れた。
嘱託式の"帳"の調整も終えた。
呪力や言霊ごと他者に託して問題はない。
あと、やるべきことは……。
「夏油に会いに行く」
私は唇を歪めた。