第26章 事変
「それでいつ会うの?」
「10月31日にしようと思ってる。ハロウィンの時期にサプライズしたくてね」
「トリックオアトリート的な?」
「そう!!この場合はお菓子じゃなくてお話だけど」
「ふふっ、うまくないよ」
お兄ちゃんのくだらないダジャレに思わず笑ってしまった。
「じゃあ、その日に悟を連れ出せばいいんだね」
「お願いできるかい?」
「うん。お兄ちゃんの頼みだから」
「じゃあ、この話は内密に。バレたらサプライズじゃなくなってしまうからね」
「私うまく立ち回りできるかなぁ」
「嘘が下手くそだもんね、は」
「正直者って言ってよ」
久し振りの兄妹の団欒は和やかだった。
やっぱり私はお兄ちゃんが大好きなんだってわかった。
「全部終わったら、迎えに来てくれる?」
「もちろん」
「その時は悟も一緒がいいけど、難しいかな」
「どうだろうね。話して見なくちゃ分からない」
仲直り、できるだろうか。
本音で言えば仲直りをしてほしい。
いくら離反して裏切ったとしても仲直りだけは、できるんじゃないかって、私の脳内は甘ったるい考えで埋め尽くされていた。
お兄ちゃんと会って舞い上がっていたんだと思う。
正常な判断がこの時はうまくできなかった。
だから、あんなことになったんだと思うと、私は今日の私を一生許すことはできない。