第26章 事変
「お兄ちゃんが、生きててくれてよかった……!!」
「うん、私もまたに会えてうれしいよ」
「私との約束、覚えてる?」
「もちろん。私の事を殺してくれるんだろう?」
覚えててくれた。
私との約束を。
嬉しい嬉しい。
零れる涙を拭っている私にお兄ちゃんは優しく声を掛けた。
「それで、に頼みがあるんだ」
「頼み……?」
お兄ちゃんは言った。
悟ともう一度会って話がしたいと。
なんの話をするんだろうと思ったけど、そこは「親友だけの特権」とはぐらかされてしまった。
「でも私は死んでいる身だろう。だからその間をに取り持ってもらいたくてね」
「たぶんどっちにしろびっくりすると思うけど……」
「そうだろうね。悟の驚く顔を見たい、というのが本音だよ」
「意外といい性格してるよね、お兄ちゃん」
お兄ちゃんは楽しそうにクスクスと笑った。
その姿はいたずらっ子がいたずらを考えて実行して成功するビジョンを考えているようにも見えて、お兄ちゃんってこんなに子供っぽかったかなと思ってしまった。
こういうところは悟と少し似ている気がする。