• テキストサイズ

【呪術廻戦】新世紀の『I LOVE YOU』

第26章 事変








喫茶店に入るとお兄ちゃんは何の迷いもなくコーヒーを2つ頼んだ。
店内のBGMなんて耳に入ってこなくて、私とお兄ちゃんの間には静寂しかないような、そんな気さえした。
すぐに運ばれてくるコーヒーを口にするお兄ちゃんは、ゆっくりと口を開いた。

「驚いたかい、私が生きていて」
「あ……、うん……」
「そうだろうね。世間的には私は死んだことになっているから」
「……生きて、いたの?」
「ああ。奇跡的にね」

クスリと笑って、お兄ちゃんはあの日の事を話してくれた。
乙骨憂太との戦いに敗れたお兄ちゃんは悟と鉢合わせし止めを刺された。
だけど詰めが甘かったのか、お兄ちゃんは微量ながらに生きていたと言う。

「非術師の老人に助けられて匿ってもらいながら治療をしてもらっていたんだ」
「そう、なんだ……」

本当、だろうか。
そんな漫画みたいなドラマみたいな展開が都合よく起こるだろうか。
お兄ちゃんの事を疑いたくなんてないけど、でもどうしても疑ってしまうのは、悟との話に矛盾が生じているからなのかもしれない。

「私を、信じてはくれないんだね」
「そ、そんなこと……!!」
「は嘘が下手だね、昔から」

伸ばされた腕が私の頭に触れる。
この温もりを私は知っている。
ずっとずっと待っていたんだから。
自然と溢れる涙。
本当に、お兄ちゃんなんだ。
お兄ちゃんは生きていたんだ。
その事実に涙は一向に止まってくれない。





/ 993ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp