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【呪術廻戦】新世紀の『I LOVE YOU』

第5章 特級






待ち時間は本当にマジで暇すぎて、私たちはたくさん写真を撮った。
キメ顔に変顔、ぶりっ子顔をした私達が写真に納められる。
と言っても、キメ顔とかを主にしていたのは私と虎杖だけで、クールぶってる後の二人は常に真顔。
表情筋どこに置いてきた。
ロボットか。

そんなことを思いながらもたまに笑う二人を見て、ちょっと嬉しかったりしたのも本当。

「ポップコーン買ってくるわ」

アトラクションに乗りすぎたせいか小腹が空いてきた。
そしたら虎杖もついて来ると言うので一緒に行くことに。
残された二人は近くのベンチへと座りに行った。

「なぁ釘崎。何味食べる?俺はちみつ味食べたい」
「はぁ?それサンダースさんの所に行かなきゃいけないじゃない。こっからだとちょっと遠いわよ」
「でも食べたくね?」
「……食べたい」

本当はキャラメルが食べたい気分だったけど、正直キャラメルはいつでも食べられる。
でもはちみつ味はここでしか食べられない。
なら、食べる味は決まってる。
選択肢などあってないようなものよね。

買いに行く途中、二人でくだらない話ばかりをしていた。
だから正直何を話していたかは覚えていない。
どれくらいどうでもいい話だったってことよ。

あ、でも。
一つだけ覚えてる話題がある。
夏油のこと。
私が虎杖に振ったんだけどね。

「あんたってさ。夏油の事好きでしょ」

ポップコーンを買うために手にした財布が地面に落ちた。
転がる小銭、固まる虎杖。
人は、本当に動揺した時硬直するのだとこの時初めて知った。



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