第26章 事変
――五条悟side――
0.2秒の領域展開。
これは僕が勘で設定したもの。
非術師が廃人にならず後遺症も残らないであろう無量空処の滞在時間。
立ったまま気を失う人間たちを避けながら改造人間を鏖殺していく。
重なる予想しなかった展開に少しだけ疲弊していた。
油断、していたわけじゃないけど正直これでなんとかなると思っていた。
だからこそ気づかなかった。
足元に転がる四角い箱といつの間にか姿の見えなくなったの存在に。
「悟!!逃げろ!!」
そう聞こえたけど、気付くのが遅すぎた。
「獄門疆、開門」
その言葉が何処からか聞こえてきたと同時に、箱は開かれた。
一つ目のデカイ不気味な瞳が僕を映し出す。
動揺していたせいで動けなかったけど、瞳の真ん中に映る僕の顔は真っ黒い穴が空いていて。
ここに居てはまずいと思い、離れようとした時僕を呼ぶ声がした。
「や、悟」
聞きなれた懐かしい声に、僕は後ろを振り向いた。
そこには愛おしいの姿と自らの手で去年殺した親友の姿。
なんで、傑がここに。はなんで一緒にいるんだ。
傑は去年、僕が……僕がこの手で。
偽物?
それとも変身の術式?
全ての可能性を僕の目が、六眼が否定した。
目の前にいる親友は本物だと、そう言っている。