第26章 事変
その時、反対のホームに電車がやってきた。
なんでこのタイミングで電車が……。
「来たな!!」
富士山頭の声が私の耳に届いた。
これもオマエらの作戦か……!!
非術師たちがやってきた電車に乗り込もうと躍起になった。
「乗るんじゃねえ!!!」
だが、時すでに遅し。
電車の中にいた呪霊……いや、改造された人間たちが非術師たちに襲い掛かった。
「……。何考えてやがる」
流石の悟にも焦りの色が見え始める。
電車の中に改造された人間がいるってことは……。
「漏瑚~」
電車内から聞こえる軽薄な声に私は奥歯を噛みしめた。
「テメェ……」
「久しぶりだね、元気してた?」
ヒラヒラと手を振るツギハギの男を今すぐにでも殺してやりたい衝動に駆ら
人間を襲わせてどうすんだよ。
人間が減って困るのはオマエらの方じゃねえのか。
一生懸命脳の思考を巡らせながら鍵を握るが、ツギハギは私ではなく悟を狙った。
当り前だけど、悟にツギハギの攻撃は当たらない。
それを嬉しそうに楽しそうにするツギハギの男。
「人間のキショい所1つ教えてやるよ。……いーっぱいいる所」
ツギハギの男がそう言った瞬間。
吹き抜けを塞いでいた木の根たちが消えた。
そして上から降ってくる人間たち。
なんで今更になって……。
たぶんこれ、上にも呪霊か呪詛師がいるのかもしれない。
渋谷に閉じ込めている人間を次々に投入するために。
でもなんで。
なんでそんな事。
ぐるぐる考えている間にも呪霊たちは人間を殺していく。
どうする、このままだと被害が大きくなるだけだ。
どうにかしないと……。
その時、私の脳内でぐるぐるしてたものが一つの線で繋がった。
きっかけとかわかんない、本当に唐突に突然に。
これ、考えたくないけどそういうことだよね。
10月31日に仲直りがしたいって言ってて。
でもそれが嘘だとしたら……。
頭の中に浮かぶ人物に、私の心臓はどくどくと重く冷たく鼓動する。