第12章 day9 the second 奪還 ホークス
ホークスside
散々痛めつけられた身体をみて
ゆっくりさせてあげたいのに
俺の身体もまた正直で
中心が熱を持って布を持ち上げる
本当だったら
意識失っててもおかしくないほど疲れ果ててるはずなのに
おかしな薬のせいで俺にこんなことを頼まずにはいられないヒーリングガールがあまりにも不憫で
ぐっと歯を食いしばる
「なんでっ‥‥こんなに頑張ってるちゃんばっかりこんな辛い思いするんすかね‥‥」
頬を静かに流れる涙を悟られないように拭って
グッと握った拳
熱くて小さな手が重ねられる
『なんでっ‥‥そんなに苦しそうな顔をしてるの‥?大丈夫‥?』
ふぅ‥と苦しそうに肩を上下させながらも心配そうに眉を寄せる
さっき助けてって言ったのに
きっとまだ薬が効いてて相当身体は辛いはずで
ただでさえ交わりの個性にかかっているのに
これほどまでに思考をも狂わせる薬まで飲まされて
それに苦しんでるのに
また
こんな時まで人の事心配して
全く本当に
ヒーローってのは‥
あなたって人は‥
「好きな人を守れなかったからっすかね‥」
目の前の身体を抱き寄せて腕の中に閉じ込める
『どうしてっ‥泣いてるの‥?』
呼吸も乱さなかったのに
静かに頬を流れる涙に気付いて
指先がそっと優しく背中の強翼を撫でる
その間も身体は苦しそうに熱を上げていく
これ以上は見ていられなくてポケットに忍ばせていた携帯に手を伸ばす
「はい‥今すぐにお願いします‥それで頼みます」
電話を切るとすぐに部屋の扉が開いて
ベッドのサイドボードに小さな錠剤が置かれた
それを舌先に乗せて
腕の中のちゃんに口付けを落とす
熱い吐息を溢す赤く染まった唇を割り開いて
喉の奥まで届くほどに舌を挿入する
『んっ‥‥』
反射的にごくりと飲み込んだかとおもうと
身体から力が抜けて
徐々に荒かった呼吸が穏やかになっていく
「よかった‥‥寝れんかったらどげんしよかと‥‥」
こんなボロボロのちゃんを
いくら薬のせいだからって抱くのはあまりに苦しくて
少し穏やかになった寝顔にホっと息をついた