第12章 day9 the second 奪還 ホークス
荼毘side
はぁはぁと明らかに苦しそうに息が上がり始めて
肩で呼吸をしながら必死に意識を保っているように見える
ちょっと指先が触れただけでびくりと反応する身体
よっぽど苦しいに違いないのに
まだ耐えようと無駄な足掻きを繰り返す
挿れてって言ってもらおうかとも思ったが
またさっきみたいに犯すのもいい
「早く素直になれば良いのに‥ヒーローってのは頑固な奴が多いんだな」
俺の身体にすっぽりと収まるくらい小さな身体の上に覆い被さると
ベッドがまた軋む音がした
『‥っ‥!!そ‥れっ‥‥』
「‥?」
指差した先にふと目をやるとポケットに入れたはずのネックレスが落ちていた
『ネックレス‥‥っ‥‥!なん‥で‥っ‥』
「見つかったか‥‥タイミングみて利用しようと思ってたのになぁ」
ネックレスを拾い上げて目の前にぶら下げる
『か‥返してっ‥‥』
「返して欲しけりゃそれなりのもん貰わないと」
『な‥にがっ‥‥目的なの‥っ‥?』
「ヒーローやめてこっち来い」
『っ‥!』
ネックレスを掴もうと伸ばしてきた手を頭上に纏め上げる
「過去の雑誌も全部読み漁ってて見つけたぜ‥これ、ホークスからもらったんだってな?」
『ンッ‥‥はなし‥てっ‥‥』
抵抗する様子を見せながらも随分苦しそうに色っぽい声が漏れる
「昨晩から行方不明になったお前のこと必死に探してるだろうな?これで釣ったらまんまとやってくるんじゃないか?」
『や‥めて‥っ‥‥めいわく‥‥かけたく‥な‥いっ‥‥』
「お前が俺達の仲間になればなにも問題ない」
「いや〜それは逆に問題しかないんスよね」
物音はしなかったはず
扉の向こうにも気配は感じなかった
それなのに
なんで
「ホークス‥」
『ホークスっ‥さん‥?』
「無事‥‥とは言い難いけど‥とりあえず生きてて良かった‥」
「どうやって乗り込んできた?」
「それ聞きます?後でゆっくり話すんでとりあえずその手‥離してもらえますかね?」
無数の赤い羽がビシッと俺の周りを取り囲んだ