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Maria ~Requiem【気象系BL】

第24章 Genesis3:9


「そんなもの、全て放棄すると以前言いましたが?」

高校で家を放り出された時、捨て台詞で吐いた相続放棄。
あれは確かに口約束ではあるが有効な意思表示だと思っていた。

「…櫻井家の相続に関しては然るべき時が来たら、書類を揃えて弁護士があなたの所へ行くことになってるわ。遺留分だけでも受け取ってね」

遺留分くらいは受け取らせないと、後から気が変わると困る。
それほど舞や…特に修に相続をさせたいってことか。

「じゃあ、何の話なんです」
「篠原の家よ」
「え?」

篠原とは、母の旧姓だ。

「私の母があなたに財産を残すと言っているの」
「え?」
「そりゃ、あなたにも相続の権利はあるけど、私を飛び越えてなぜかあなたに大きな相続の話が出てるの」

群馬のお祖母様は、俺にはいつも良くしてくれた。
幼少の頃は、両親の仕事が忙しくて俺を養育できなくなったため、暫く群馬の篠原家で暮らしたこともあるくらいだ。

とても温かく、そして公平に俺のことを扱ってくれた。
俺の根性が完全にへし曲がらなかったのは、篠原と今は亡き櫻井の祖父母のお陰だったかもしれない。

「その理由がわからないんですか?」

きょとんと母親は俺の顔を見た。

「わからないわ。ただの孫バカじゃないかしら?」

軽く言うと、横においてあるファイルケースから書類を取り出した。

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