第24章 Genesis3:9
吐き気がする。
下を向いていたら今にも出そうだった。
汗が背中をびっしょり濡らして気持ち悪い。
そこに書いてある文字を、急いで目で追った。
誰か来るかもしれない。
それまでに全て読まなければならないと思った。
しかし前室に人の喋る気配がして、慌てて書類をかき集めた。
ドアが開くと、潤が顔を出した。
「どうした?」
ただならぬ気配を察したのか、小走りで駆け寄ってくる。
潤の後ろを見たけど、誰も一緒には入ってきてなかった。
少しほっとして、息を吐き出した。
「なんだよ、それ…?」
俺が手に持ってる書類に気づいた。
「これ…は…」
声がうまく出なかった。
吐き気が襲ってきて、上手く声が出てこない。
「ちょっと、ごめん」
俺の手から書類を取り上げた。
さっと読むと潤の顔色も変わった。
「これは櫻井のおじさんが…?」
頷くと、潤はスマホを取り出した。
封筒の写真と報告書の内容を素早く写真に収めた。
「俺が戻しておくから、おまえは手洗いにでも行って顔を洗ってこい」
「あ、ああ…」
とん、と背中を押されてやっと俺は歩くことができた。
潤は背後で飛び散った書類を集めてくれている。
わけがわからなかった。
足の下の絨毯がふわふわして地面が柔らかい。
歩きにくくて足がもつれる。
なんとか前室のドアまでたどり着くと、まだ震えている手でドアを開いた。