第24章 Genesis3:9
今そのデスク越しに窓の外が見えるほど、身長は大きくなった。
更にその先まで見渡せるほど、俺は成長した。
「…飯、か…」
家族で食卓を囲んだ記憶なんて、ほとんどない。
なのに、俺はどこに飯を食いに行くというんだろう。
ふっと笑いがこみ上げた。
不器用な人なんだと思った。
デスクに手をついて、更に遠くを見ようとしたその時。
手に大きな封筒の角が当たっていることに気づいた。
その封筒はデスクの際に置かれていて、少しはみ出していた。
重要な書類だったら落としたらいけないと思って、その封筒を手に取って戻そうとした。
「…探偵事務所…?」
それは探偵事務所の印刷の入ったA4サイズの封筒だった。
「なんでこんなもの…」
中身を見るつもりはなかったのに、戻そうとした時に中から書類がこぼれ落ちた。
「あっ…」
どうやら、封筒の上ではなく横を切って開封してあって中身が全て出てしまったようだ。
まずいと思って、拾い集めようとした手が止まった。
「え……?」
コピー用紙に大きく印刷された写真。
それは母親のものだった。
「なんで…母さん…?」
他に落ちている書類を見ると、夜に誰かと会っている画像が印刷されている紙がいくつも出てきた。